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2006年06月23日

観衆のブーイング

アメリカで体験できることのひとつに観客からの”ブーイング”があります。こちらでは、99%のファンがホームチームのファンです。ホームに不利な判定をしようものなら、容赦なくブーイングの嵐が吹き荒れます。もちろん、こちらが正しい判定をしていてもです。

ストライク・ボールの判定でもブーイングがあります。昨日のゲームでもインディアンズ(ホームです。)の打者に対してのアウトコースの投球を、自分としては気持ちよく”ストライク・スリー”と宣告し、打者は何も言わずダッグアウトに戻っていったのですが、ネット裏のファンからは容赦なしのブーイングでした。自分でも”少し広すぎたかな”と思っていたので、ブーイングによって自分の判定を反省するきっかけになるときもあるのです。しかし、ブーイングによって判定が左右されることが一番いけないのです。大事なことは、ブーイングを自分でコントロール(利用)できるかどうかなのです。

この試合のラストプレーに対してのブーイングは耐え難いものでした。照明の故障の後、9回の裏6−1と5点リードされてのホームの攻撃でした。1点取り、その後相手投手ガ乱れて1点差になり、なおも2死で走者1、3塁の場面です。インディアンズの打者が1塁線付近にゆるいゴロを打ちました。1塁手が打球を捕って、打者走者にタッグを試みたのでした。Roryは塁に走者がいたので内野の中に位置しています。この位置からだと、とてもタッグを確認するには難しい、悪い角度の位置になります。逆に、球審は1塁線上で見ることができるので良い角度にいることになります。(距離は遠いので、説得力がないですが。)でも、この場合、判定の責任は塁審にあります。さあ、皆さんならどうしますか?

案の定、Roryは見えなかったようで、僕の方を見てきました。僕はタッグをよく見えていたので、塁審が助けを求めていることがわかったので、自分で自分を指しながら、”I got it, I got it!”といいながら”ア〜ウト〜!”と大きめ(派手目)なジェスチャーで打者走者にアウトを宣告しました。ここで、大事なのはお互いのアンパイア同士のあうんの呼吸なのです。審判は、見えなくても宣告しなければならない時もたくさんあります。このケースでも、塁審が野手や走者のリアクションを見て判断し、宣告する場合も多々あります。(これには、経験が必要です。)今日の場合は、自分達が出来る事を100%やれたいい例だと思います。スーパーバイザーに見てもらいたかったです。(残念!いませんでした。)今日のケースは、2人で審判をするうえで、とても難しいケースで、しかも結構頻度の高いプレーなのです。この経験が出来た事は、これからの自分達にとって大きな財産のひとつになるでしょう。

あ、忘れていましたが、この後何が起こったでしょう。お判りだと思いますが、大ブーイングです。この判定で、ホームチームの負けが決定し、試合終了になったのです。しかも、球審が遠くから判定したので説得力がなく、余計にブーイングを大きくしてしまいました。自分達がやったことが100%正しいと信じていてもしんどいブーイングだったのです。運悪く、引き上げる通路がホームチームのダッグアウト横を通るルートになっていました。何百人のお客さんがフェンスの一番際まで降りてきて、容赦なく罵声を浴びせてきました。しかし、監督の抗議はたいしたことなく、すぐに済みました。

日本でだったらと想像してしまいました。きっと30分ぐらいその場で、監督、コーチ、選手に取り囲まれて抗議を受けたでしょう。リーグに抗議文も届いて、後々まで尾を引くことになるのでしょうね。


posted by 平林岳 at 05:17 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
ブーイングの嵐!!後味は決して良くなですよネ,,,
PBUCのマニュアルにも頻繁に使われていますが、日本では
未だ浸透していない、”コミュニケーション!!”もろ、上下関係
に習えが現状です。
やっぱり大切ですよネ!!
Never mind.Going your way.
素晴しい、羨ましいです、お互いの信頼関係って...
Posted by YOSHIイワサ at 2006年06月23日 23:50
■YOSHIイワサさん
いつもコメントありがとうございます。2人で審判をする為には、良いコミュニケーションがないと審判できません。コミュニケーション能力を高める為に、1Aまでの審判は、2人制審判でやっているのです。
Posted by オールドルーキー at 2006年06月24日 02:36
>ひらりん
堪え難いブーイング…お察しします。
昨夏、ヤクルト―阪神戦(神宮)で金本選手が、ライトポール際に、かなり際どい打球を飛ばしました。
私の席からは、正確に目視出来ず「微妙」といったところ。
一塁塁審は、かなり大きなジェスチャーで、「ファール!!」と宣告しました。
しかし、岡田監督以下、コーチ、金本自身が猛抗議に出てました。
判定は覆りませんでしたが、金本が「審判がファールといったら、ファールになるんやろ!!」と捨て台詞を吐きました。
この時、阪神ファンから、大ブーイングの嵐が吹き荒れたのです。
Posted by hikaru☆ at 2006年06月24日 02:58
神宮と言えども、阪神ファンが、大多数を占めており、私はいまだかつて経験した事のない、球場のブーイングの嵐の異様な雰囲気に、呑まれてしまいました。
試合再開直後、今度はヤクルト・リグスの内野安打の判定に(一塁セーフ)再び大ブーイングが浴びせられ、 心ない阪神ファンから、ついに「審判辞めろ!!」コールが起きたのです。
私は、怒りを通り越して悲しくなり、その場で帰路につきました。金本の打球に関しては、翌日の新聞に、ポールより20cm外れており、一塁塁審の判定が正しかった事が、掲載され、ホッと胸を撫で下ろしました。
Posted by hikaru☆ at 2006年06月24日 03:11
このように100%正しい判定を下しても、ブーイングを浴びせられるのですから、審判は、精神力の強さが、本当に大切なのだと思いました。
(この試合の一塁塁審は、私のお友達でもあるので、ブーイングを受けてもなお、
毅然とジャッジをしていたので、何か胸を打たれるものが、ありました。)
ちなみに、セ審判部OBの方と、この件に関してお話したのですが、「多少、あっけらかんとしてないと、勤まらない商売だからね」とおっしゃってました…(^^ゞ
以後の試合に、生かしながらも引きずらない事が一番ですよね、ひらりん。負けないで下さい☆
Posted by hikaru☆ at 2006年06月24日 03:26
■hikaruさん
正しい判定をしても嫌な思いをするのが現状の審判が置かれている立場です。(特に日本では)あっけらかんとしている人のほうが向いているのは確かです。でも、信念を持って、貫くことができる優秀な人材が、生きていけるような世界にすることが僕の使命だと思っています。応援してくださいね。
Posted by オールドルーキー at 2006年06月24日 06:48
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